三宅しんご

香川県 参議院
選挙区 第二支部長
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参議院・平和安全法制特別委員会 質問用メモ(20105/8/5)

先日、参議院・平和安全法制特別委員会にて質問しました。 
質問用メモを以下よりダウンロードできます。



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質問メモ
参議院・平和安全法制特別委(8月5日) 
自民党 三宅伸吾

(Ⅰ)徴兵制
本委員会で話題となっている徴兵制について。

憲法 第13条  
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
憲法 第18条
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

【Q:内閣法制局】 裁判員制度では国民から選ばれた裁判員が死刑を宣告することもある。憲法の18条等との関係で裁判員制度は問題ないのか、また、徴兵制は憲法上、どのように整理されるのか。

安倍総理は徴兵制について、「明確な憲法違反であり、全くあり得ない。政権が替わっても導入の余地は全くない」と述べている。しかし、世の中からは「徴兵制の憲法解釈を、違憲から合憲に変え、徴兵制をいずれ採用するのではないか」との批判を耳にする。
国家指導者の言葉は重い。しかし、その言葉をどうしても信頼できないというのであれば、憲法を改正して、明確に徴兵制の禁止を明記する条項を追加してはどうか。具体的には、9条に3項を加え、「徴兵制は、禁止する」と明記する。

【Q: 官房長官】 徴兵制禁止を追記する憲法改正の動きが出てくれば、長官はそれに賛成か。
(メモ)
① 法技術論でいえば、現行の憲法から読み取れるとされる「徴兵制禁止」を、新たに追記・確認、明記するのは、「馬から落馬」のようなもので、おかしなこと。ただ、「自民党が現行憲法の解釈を違憲から合憲へと変えるかもしれない」との指摘があることから、「徴兵制禁止を堅持する」との政権の姿勢を明確にするための質問。
②「自衛隊が「軍隊」であるかどうかの論点とは関係なく、徴兵制は違憲である」(2015-8-4参議院・平和安全法制・特別委員会 中谷防衛大臣答弁) 

(Ⅱ)国民の支持の中での安保関連法案成立に向けて
これまでの国会審議などで、明らかになったこと。
1.厳しい安全保障環境のなかで、平和を維持するために何らかの対応が必要だということには理解が進んでいる。
2.しかし、本法案に対しては、なかなか理解が進んでいない。

どうしてか、ずっと考えてきた。
北朝鮮:ミサイル・核開発 薄気味悪い。
中 国:膨大な軍事予算。尖閣をうかがい、南シナ海の岩礁を埋め立て。
「1党独裁・膨張主義国家」。不気味で、怖い。
だから、抑止力向上の必要性は分かる、しかし法案には反対という人が多い。

脚本家の倉本聡(くらもと・そう)氏が、8月1日付け日経新聞『私の履歴書』で、こう述べている。

「国を愛する気持ちはひと一倍だが、愛国心を強調すると右と批評される。
国を守るのは大事なことだ。しかし、衆院を通過した安保法制には反対。
戦争の臭いがするからだ」

私には「戦争の臭い」は全くしない。ただ、やはり、四国の地元香川の有権者の方とお話をすると、一部の方から、似たような感想・コメントを地元の香川の有権者から耳にした。
本法案は、国の独立と、国際社会の中で、「日本の名誉と信頼」にかかわる重要なもの。やはり、そのことを国民に理解していただき、スムーズに成立させるべき。

国民の支持を受けて、法案が成立する2つの条件
1. 国民の間で、「戦争への漠然とした大きな懸念」、さらに言えば、この懸念の背景には過去の軍国主義による大戦で味わった苦しみの記憶と、その再発への不安がある。とすれば、本法案が戦争リスクを下げるものであること、そして、「戦争・軍国主義再発の懸念」がないことを国民が理解すれば、国民が広く支持する形で、この法案を成立させることができる。
もちろん、
2. 憲法の話が難しく、政府の説明が国民の五臓六腑になかなかストンと落ちていないのも法案が不人気の原因。とすれば、「分かりやすい憲法の話」も必要。

本日の質疑では戦争リスクが高まる法案ではないこと、また本法案が合憲であることを確かめる。

(Ⅲ)まず、「戦争への漠然とした大きな懸念」・「軍国主義の再発への不安」が、不必要であること

先の大戦の評価はいろいろ。
1959年の砂川事件大法廷判決 15人の裁判官が全員一致で下した評価
「わが国の誤つて犯すに至つた軍国主義的行動」

自衛のために開戦したわけだが、「終戦の決断があまりに遅すぎた」のは明らか。

70年前の明日8月6日午前8時過ぎ、広島に原爆が投下された。続いて9日には長崎でも無垢の尊い命が失われた。2都市での犠牲者数20万人以上。
空襲でも、東京だけで10万人など、各地の空襲でもおびただしい数の人命が失われ、沖縄の地上戦では約20万人もが亡くなった。
本土を遠く離れたアジア・太平洋地域でも多数の軍人が戦死。銃弾ではなく、餓死、病死した人も数えきれない。その数、100万人前後とも。
日本は刀折れ、矢尽き、また、補給路も早々と断たれたのに、なぜ戦争を継続したのか。早期に戦争を終えておけば、国内での空襲、沖縄地上戦の被害者、そして外地での餓死者、病死者数はかなり減ったはず。
なぜ、早期終戦ができなかったのか、疑問は尽きない。

安倍総理 衆議院・平安特の6月1日の答弁。
「大戦の結果、日本は敗戦を迎え、多くの人々が貴重な人命を失ったわけでありますし、アジアの人々にも多くの被害を及ぼした」
「そうした結果を生み出した日本人の政治指導者にはそれぞれ多くの責任があるのは当然のこと」

歴史を振り返れば、様々な疑問が浮かぶ。なぜ、新聞は戦争を煽ったのか。そして、なぜ、新聞の論調に一部を除く政治家は迎合したのか。イケイケどんどんの「空気」が支配する状況にあっても、Noと言える国家リーダーが必要だった。しかし、そんな空気に支配されてからでは実は手遅れで、Noというリーダーは抹殺され、「竹槍でB29に立ち向かえ」というような「空気」に拍車をかける新リーダーが、喝采を浴びて登場する可能性が大だったのかもしれない。

先の大戦では、戦争相手国の惨状にも胸が痛む。私たち、ひとり一人が歴史を前に、考えなければならない。戦後70年。政治、社会システムは大きく変貌したが、日本は「過去」の過ちを繰り返さないほどに、りっぱになったのか。そして、周辺諸国の状況はどうか。すべてを総合判断し、国民の平和な暮らしと国の独立を守るために、憲法の枠内で必要なことは断行しなければいけない。

そこで、
【Q:防衛大臣】 戦前には中国大陸などで「軍部の暴走」があった。このため、過去の誤った軍国主義が再発しないかと心配している人もいる。

私は、先の大戦での失敗を繰り返さないため、戦後、我が国は何重もの制度的歯止めを作り込んできたと考える。

過剰な自衛権の発動を防ぐ制度的な仕組みは、今回の法案を含め、きちんと整備されているのか。このことにつき、民主的統制の観点から、旧日本軍と自衛隊を取り巻く環境の違いなどを含め、
国民が安心でき、政府に全幅の信頼を寄せられるような、中谷大臣の深い歴史観に基づく、答弁を求める。


さて、
先般、世界的に有名なオークションで、第一次世界大戦中に描かれた、ある絵が出品された。地中海のマルセイユの港に停泊している、軍艦と思われる船を描いたもので、船には「日章旗」が掲揚。私自身、その数日後に、瀬戸内海の高松港に自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が寄港。そこに掲げられた日章旗を目にし、当時の歴史に興味を覚えた。

今から1世紀前の第一次世界大戦の際、日英同盟が結ばれていた。地中海のドイツ巡洋艦に対抗するため、1914年の開戦直後、英国から日本に対して、艦船の派遣要請があった。当初、加藤高明・外務大臣は「余裕がない」と断った。しかし、その後、ドイツの潜水艦などによって連合国側の被害が増大し、再び英国から艦隊派遣の要請があると、今度は断り切れず、1017年になって日本政府は旧式の巡洋艦明石を指揮艦として、駆逐艦をいれて10数隻の艦船を地中海まで派遣し、マルタ--マルセイユの間などで船団を護衛した。最新鋭の艦艇ではなかったが、それでも日本海軍の貢献は、高い評価を受けた。

(先のオークションの絵は1916年に描かれており、絵の中の日章旗を掲げる船は、2017年以降に地中海に派遣された日本海軍「第2特務艦隊」所属のものではないと思われる)

実は当時、英仏などから、欧州大陸に日本陸軍の派遣要請もあった。日本政府は、これを拒否。欧州大陸への日本陸軍の派遣拒否は、対華21箇条の要求などもあって、英国の失望を招き、日英同盟の破棄の一因になったとの指摘がある。


【Q:外務大臣】 今回の法案の反対論の一つに、米国に日本がより協力せざるを得なくなり、日本が米国の紛争に巻き込まれ易くなるとの批判がある。しかし、集団的自衛権行使に関する3要件を読むと、かなり限定をかけている。世界で一番、厳しい制約ともされ、他国の紛争に巻き込まれるリスクは高まらないと私は考える。

もう1つ、極めて大事なことを指摘する。私は、米国が「世界の警察官をやめる」という、引き気味の状況の中で、日米関係を通じて抑止力を維持・強化するためにも、今回の法案は絶対に必要だと考える。この点につき、岸田岸田外務大臣はどのように考えているか。

(Ⅳ)ストンと腑に落ちる分かりやすい憲法論議
次に、法案が国民に理解されて成立するためのもう1つの条件。なかなか理解が進んでいない憲法の論議について。

【Q: 内閣法制局】 憲法9条と自衛権の関係に関し、憲法の制定論議の当時から今日までの政府見解の大まかな流れの説明を。

過去の政府見解の変遷
1.現行憲法制定の議論の際、政府は「自衛権の行使は一切認められない」。
2.その後、独立を守るために1954年、自衛隊を創設。
3.さらに政府は個別的自衛権の行使は可能だが、集団的自衛権の行使は認められてないと説明。
4.昨年7月の閣議決定を受けた今回の法案では、集団的自衛権の限定行使を認める。

憲法の文言が制定時からまったく変わっていないのに、国の方針は変わってきたようにも見える。「一体、どうなっているのか」と思っている国民もいる。

話がややこしくなれば、原点、つまり憲法の規定の最終解釈権を持つ最高裁の判断に戻るほかない。
砂川事件大法廷判決 「憲法の番人」の9条に関する唯一の判断。
全員一致で、こう述べた。 
「わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のこと」。

しかし、残念ながら、「必要な自衛のための措置は可能」としか、最高裁は述べていない。
従って、必要な措置のその具体的な内容、程度については「絶対的な基準」は不明。

現実の国防は、よく分からないといって済む話ではない。政府は、国民の平和な暮らしと国の独立を守る責務がある。「分からない」では無責任。最高裁が沈黙している部分を、政府は真摯に憲法を解釈し、埋める作業をしていかなければ、国を守るため、適切に自衛隊を動かせない。

その1つが政府の1972年の見解。
「平和主義をその基本原則とする憲法が、右にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るための止むを得ない措置としてはじめて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである」

つまり、
最高裁は「必要な自衛のための措置は可能」だとし、政府はその措置は「必要最小限度の範囲にとどまるべき」としてきた。
この枠組み、基本ルールについては、私の理解では、少なくとも自衛隊を保持して以降、政権に参画した政党に所属する国会議員や、それなりの数の憲法の研究者も、しぶしぶかもしれないが、お認めになるのではないか。

この政府見解が出た1972年当時、中国に近年のような軍事膨張主義はみられず、北朝鮮に弾道ミサイル、核もない状況だった。当時の安全保障環境は、米国の相対的軍事力は圧倒的に強大で、「集団的自衛権の行使」の必要性は我が国側には全くなく、集団的自衛権の行使は「必要最小限の措置」を越えていると政府は判断したため、1972年政府見解では「集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」と述べたと理解する。
しかし、その後、40年以上が経ち、安全保障環境が悪いほうに激変してきた。
① これに応じて、限定的な集団的自衛権の行使が、「必要最小限の措置」の枠内に入ってきた、現れてきたのではないか。
② つまり、物騒になってくれば、ならず者、無法者が日本の周りに出てくるようになれば、「必要最小限」の措置レベルを高めなければならないと、政府は考えたのではないか。
③ 「自衛のための措置は必要最小限度の範囲」という基本ルールは変わっていない。この意味で、「法的安定性は保たれている」というのが政府の見解ではないか。ただ、新3要件の枠にとどまらない、いわゆるフルスペックの集団的自衛権の行使は基本ルール違反。つまり憲法違反だということになる。

【Q:内閣法制局】 このように私は理解するが、内閣法制局の見解は。


(メモ)
1 猪の侵入を防ぐフェンスでは、熊は止められない。熊が出るようになれば、もっと強力なフェンスが必要だということ。

2 砂川事件 田中耕太郎長官の補足意見
「自衛は国家の最も本源的な任務と機能の一つである」
「防衛力の規模および充実の程度やいかなる方策を選ぶべきかの判断は、これ一つにその時々の世界情勢その他の事情を考慮に入れた、政府の裁量にかかる純然たる政治的性質の問題である」

3 ゴム風船で例えてみる。ゴム風船に空気を少し入れて、膨らませて、空気の出入り口をしっかりと結ぶ。ゴム風船やその中に入っている空気の質量は変わらないが、周りの気圧が低くなると、ゴム風船は周りの気圧の低下に応じて膨らんでいく。
このゴム風船の中が、「自衛のための必要最小限の措置の範囲」=自衛隊の活動領域。
安全保障環境の変化に応じて、必要な「自衛の措置レベル」は変わってくる。しかし、このゴム風船は憲法の制約のため、膨張にも限界がある。気圧があまりに下がり、膨張し過ぎるとゴム風船は破裂=憲法違反。3日の総理答弁でも新3要件を超えて広がることはないと述べた。

以上

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